バフンウニ

バフンウニ

センターとバフンウニ

 

【バフンウニ Hemicentrotus pulcherrimus を対象とした論文】


バフンウニは本邦沿岸に広く分布するホンウニ目のウニで、古くから日本人研究者によって多用されるウニです。浅虫でも以前から研究対象としてよく用いられています。比較的小型のウニであり、センターの水槽での維持も容易なので、実習や研究材料として便利な種です。12月から翌年4月下旬までの約5ヶ月間の長い産卵期は実験材料として多用される理由の一つでもあります。オオバフンウニ科 Strongylocentroidaeに属するStrongylocentrotus purpuratusやParacentrotus lividusでの研究が進んでいることもあり、バフンウニはある意味で日本のウニ研究の標準動物といっていいかもしれません。近年ではゲノム研究も進んでいます。浅虫のバフンウニを対象とした研究は、センター所属研究者だけでなく、日本各地の研究者によって行われています。ここではセンター所属研究者による発生機構の研究論文を紹介します。

Yamazaki A. and Minokawa T. (2016)
Roles of hesC and gcm in echinoid larval mesenchyme cell development
Development, Growth and Differentiation 58: 315-326


Yamazaki A. and Minokawa T. (2016)はバフンウニとハスノハカシパンを対象として、プルテウス幼生の間充織細胞分化におけるhesCとgcmの役割について報告した論文です。gcm遺伝子は専ら色素細胞分化に関連することが知られていましたが、少なくともこの二種では、骨片形成細胞と色素細胞の運命決定に関与することを明らかにしました。