東北大学理学部 生物学科

学科長のあいさつ

 

筒井健一郎  

「なぜだろう」「どうなってるの」と「ワクワク」を大切に
    生物学科長 筒井健一郎

 理学部生物学科とはどんなところでしょうか?ひとことでいうと、生命現象について、「なぜだろう?」「どうなっているの?」という疑問を持ち、その背景にある機序や原理をしらべる研究や、その基礎となる教育を行っているところです。研究の動機としては、生命現象やその原理を理解したい、ということがその中心があり、役に立つからこれを調べたい、作りたい、という、いわゆる「実学」とは一線を画しています。
 生命現象を理解するには、様々なスケールがあります。ひとつは、大きさのスケールで、分子、細胞、組織、器官、個体、複数個体間の相互作用から、地域、さらには、地球規模の生態系に至ります。もうひとつは、時間のスケールで、ミリ秒の単位から、秒、分、から、数日、数ヶ月、数年、数十年、さらには、数万年から数十億年に至ります。東北大学の理学部生物学科の特徴のひとつは、さまざまな空間・時間スケールで生命現象をあつかう研究室が、バランス良く集まって有機的に構成されていることです。これにより、生物学科の学生の皆さんに、幅広い知識と技量を体得する機会を提供しています。
 これから入学する人、あるいは、入学して間もない人は、まだ、生物学に対して漠然とした興味しか持っていない人も多いでしょう。生物学科のカリキュラムの、1年次から3年次の前半は、生物学を専門とするために必要とされる基本的な知識や技量を広く学ぶように設計されています。その間に是非、「ワクワク」する自分の研究テーマを見つけてください。3年次の後半からは、研究室に所属して、先生から指導を受けながら自ら研究活動に従事し、実験技術や思考力に磨きをかけます。多くの人は、その後、東北大学において基礎生命科学をあつかう大学院である、生命科学研究科に進学し、本格的な研究活動に従事します。
 生命現象へのわれわれの理解は、まだまだ限定的で、未知なる謎にあふれています。みなさんとともに、「ワクワク」しながら、生命の「なぜだろう」「どうなってるの」を解き明かしていくことを、楽しみにしています。

2023年4月1日

生物学科の概要

生物学とはどのような学問でしょうか

 「生命」とは何でしょうか。古代から多くの人たちがこの疑問に答えようとしてきましたが、21世紀の現在でさえ、生命を定義するのは困難です。生物学とは、科学的な手法を用いて「生命とは何か」という謎の解明に挑む学問です。生物学の研究対象は分子・細胞・個体・個体集団・系統・進化・生態系まで広い範囲にわたっています。生物学研究から得られた知識や情報は、人間を文化的に豊かにするだけでなく、医学・薬学・農業・環境関連分野の基礎として、社会的にも重要な役割を果たしています。
 38億年前の地球上で生物はどのように誕生し、今わたしたちが目にする多様な動物・植物・微生物はどのように生み出されてきたのでしょうか? 受精卵から生物個体はどうやってできるのでしょうか? 地球環境と生物多様性との関係は? 細胞の中で分子はどのように動いているのでしょうか? 記憶はどうやって作られるの? 生命にまつわる謎はまだまだ多く残されています。 生物学科ではこれらの謎を解くために、多様な分野の研究が行われています。

生物学科の特徴

 生物学科では、分子・細胞・個体・個体集団・系統・進化・生態系を網羅する幅広い分野の教育と研究を行っています。現在、生物学科は17の研究室から構成されています。教員数は40名で、生物学科1学年の学生定員が40名ですから、学生と教員の比が1:1というきわめて恵まれた教育環境にあります。生物学全体をカバーする多様な研究分野と密度の高い教育体制が本学科の特色です。

カリキュラム

 生物学科では、大学院である生命科学研究科(東北大学大学院生命科学研究科)への進学までを視野に入れた教育プログラムを取り入れており、生命科学研究科で行われている最先端の研究に基づいた講義や実習を、早い段階から受けることができます。
 1年次・2年次では生物学の基礎を学ぶとともに、全学教育で幅広い教養を身につけます。3年次では生物学の専門科目を学ぶことに加え、学生実習で基本的な生物学実験手法を習得します。少人数で英語の論文を講読し議論する演習科目もあります。4年次では研究室に配属され、課題研究を実施します。

> カリキュラムについて

卒業後の進路

 生物学科の学生は、大学4年間で生物学をじっくり学び、自分の研究したいこと、さらに学びたいことなどを考えて進路を決めていきます。その結果、多くの学生が大学院へ進学し、そのほとんどが本学の生命科学研究科への進学を選択しています。卒業生は学界、教育界、産業界などの様々な分野で活躍しています。生物学は医療や農林水産業、環境保全とも密接な関連があり、生物学科卒業生の活躍の場はますます広がっています。

> 卒業後の進路について

生物学科の関連研究施設

浅虫海洋生物学教育研究センター

浅虫浅虫海洋生物学教育研究センターは、仙台から北へ約400キロ離れた青森の温泉地、浅虫に立地しています。前身の理学部付属浅虫臨海実験所は、海洋生物相の豊富なこの地に、大正13年(1924年)に設置され、以後約90年にわたり独自の研究を推進し、かつ国内だけでなく世界各地からの研究者や学生を受け入れ、海洋生物学の研究と教育に貢献しています。近年では文部科学省「東北海洋生物学教育推進拠点」に認定され、海洋生物学教育の推進にさらに貢献しています。

> 浅虫海洋生物学教育研究センター

東北大学植物園

植物園 前庭植物園 本館植物園は、1958年に東北大学が研究と教育のために設立した自然植物園で、面積は約52万㎡あります。この地は、仙台城址背後の御裏林、通称「青葉山」と呼ばれる丘陵地ですが、1600年に伊達政宗が仙台城を築いて以来、今日までほとんど人手が加えられることが無かったため、都市近郊としては、稀に見る自然豊かな地域となっています。園内の多くが宮城県地方の丘陵地の気候的極相林とされるモミーイヌブナ林に覆われており、自然生態系が良好に保全されていることから1972年、植物園としてはわが国で初めて天然記念物に指定されました。

> 東北大学植物園

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東北大学植物園八甲田山分園

八甲田山分園植物園八甲田山分園は、青森県八甲田山の中腹にあり、各地から研究者や学生が滞在して高山環境における植物の多様性や生態などについて様々な研究を行っています。また、夏には多くの大学の学生野外実習も行われています。

> 東北大学植物園八甲田山分園

東北アジア研究センター

東北アジア研究センター東北アジア研究センターは、理系・文系のさまざまな研究分野の連携によって、ロシ ア、モンゴル、中国、朝鮮半島、そして日本という東北アジア地域の自然、環境、社会、文化、歴史についての諸問題を研究し、解決していくことを目指しています。地域の多彩な問題の基礎的研究のほか、森林破壊や地球温暖化などの環境問題、資源開発、防災などの実践的研究の成果を通して社会貢献にも関わっています。

> 東北アジア研究センター

生物学科の沿革

1907年(明治40年) 東北帝国大学が創立された。
1911年(明治44年) 東北帝国大学理科大学が開設された。
1922年(大正11年) 理学部に生物学科が設置された。
1924年(大正13年) 理学部附属浅虫臨海実験所が設置された。
1929年(昭和4年) 生物学科附属八甲田山植物実験所が設置された。
1949年(昭和24年) 東北帝国大学が新制東北大学となった。
1953年(昭和28年) 大学院理学研究科生物学専攻が設置された。
1958年(昭和33年) 理学部附属青葉山植物園が設置された。
1969年(昭和44年) 片平から青葉山に移転した。
1995年(平成7年) 大学院が重点化された。
2001年(平成13年) 大学院生命科学研究科が設置された。
(理学研究科生物学専攻は生命科学研究科に統合された。)
2004年(平成16年) 国立大学法人東北大学となる。
2005年(平成17年) 浅虫海洋生物学研究センターが生命科学研究科附属となった。

東北大学理学部 生物学科

Department of Biology,
Faculty of Science,
Tohoku University