機能生態分野では、植物の環境応答や適応について、光合成を中心に、分子レベルから生態系レベルまで様々なスケールで研究を行っています。現在の主要なテーマは、環境適応のメカニズムの解明、機能形質からの植物の戦略や分布決定要因の解明、植物の光合成・物質生産の観測とモデル化などです。

NEWS & TOPICS

     

  • 卒業生の渡部慧介の論文が発表されました。光合成能力などの葉の形質には大きな種間差がありますが、その種間差は光合成能力と葉寿命のトレードオフであることがわかっています。光合成能力が高い種は葉の寿命が短いので、必ずしも葉の生涯の光合成生産が多いわけではありません。葉の寿命が長い種は、光合成能力を犠牲にして「何か」から葉を守り、寿命を長くしていると考えられていますが、その「何か」が愚弟的に何なのかについては様々な議論があります。この研究では、植物の病気に着目しました。菌核菌は様々な植物の葉に感染することが可能な菌です。我々は菌核菌の感染速度を定量的に解析する実験系を開発し、様々な植物種の葉の感染抵抗性を調べました。その結果、葉の細胞壁量が多い種ほど感染抵抗性が高いことを発見し、葉寿命が長い種が病気に抵抗するために葉を丈夫にしていることが示唆されました。(2025.7.2)
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  • 彦坂幸毅の論文が発表されました。Oecologia 200号記念特集号の論文です。北島薫さん(京都大)とともに特集号に招待され、小野田雄介さん(京都大)の助けを借りて執筆しました。Oecologiaは、1970〜2000年代の植物生理生態学をリードした雑誌です。光合成を始めとする植物の葉形質が、種や生育環境によってどのように異なるのか、観察、実験、理論など様々な面から研究が行われ、私たちの理解が進んできました。この総説では、落葉性・常緑性という葉の性質の違いに着目し、前半は、その違いがどのように理解されてきたのかを最適化理論と資源利用の点から歴史的な論文を紹介しています。後半は、これらの視点のここ20年間の進展を概説しています。(2025.6.5)
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  • 今年もオオオナモミ実習が始まりました。(2025.5.19)
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