東北大学 大学院 生命科学研究科 生命機能科学専攻 植物細胞壁機能分野理学部 生物学科 植物生理学 西谷研究室 ENGLISH
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WHAT'S XTH
>> XTHの酵素活性  >> XTHファミリー発見までの歩み  >> XTH研究に関する我が研究室のマイルストーン
XTHの酵素反応
  • XTH (xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase) は
    細胞壁マトリックス多糖であるキシログルカン分子のつなぎ変え反応、または切断反応を触媒し、細胞壁の構築や再編過程で中心的な役割を担うタンパク質ファミリーである。
  • XTHは糖質関連タンパク質Family GH16に属する5つのサブグループの中の一つに分類される。
    このスーパーファミリーには XTHの他に
    (1,4)-β-galactanases/-carrageenases、
    (1,3)-β-galactanases、
    (1,3;1,4)- β-D-glucan endohydrolases、
    "nonspecific" (1,3/1,3;1,4)- β-D-glucan endohydrolases が含まれる。
  • XTHの触媒中心周辺のアミノ酸モチーフ (DEI/LDFEFLG)がファミリー内で保存されている。




  • XTHタンパク質は、エンド型キシログルカン転移(XET)活性(つなぎ変え活性)とエンド型キシログルカン加水分解(XEH)活性のいずれか、または双方の酵素活性を示す。
  • ドナー基質のキシログルカンが断片され、断片が水分子の-OH基に転移すると「加水分解」となり、他のキシログルカン分子(アクセプター)の-OH基に転移すると「つなぎ変え反応」となる。

XTHファミリー発見まで
1976年 Albersheimが細胞壁中のマトリックス分子の切断と再結合を触媒する酵素が細胞壁の構造変化に関与する可能性を仮説として初めて提唱した。
1991年 Fry et al.とNishitani and Tominagaが独立にキシログルカン分子鎖の転移反応を触媒する酵素活性の存在を見いだした。
1992年 Nishitani and Tomiangaがアズキの上胚軸アポプラスト液よりエンド型キシログルカン転移酵素を単離・精製し、精製酵素を用いて酵素反応様式を解明した。
1993年 アズキの精製酵素のアミノ酸配列を基にしてシロイヌナズナ、アズキを含め5種の植物のEXT-cDNAを単離した。(Okazawa et al.)
2001年 Toulouseで開かれた細胞壁会議で統一名称XTHが合意された。
2001年 シロイヌナズナのXTH遺伝子ファミリー全33メンバーの同定、発現解析を行った(Yokoyama and Nishitani)
2004年 イネのXTH29メンバーの包括的発現解析(yokoyama et al.)
XTH研究に関する我が研究室のマイルストーン
1981年 オーキシンが細胞伸長を誘導する際にキシログルカンの分子量が低下することを見いだした。
1982年 酸成長が起きる際にも、キシログルカンの分子量が小さくなることを見いだした。
1991年 キシログルカンの分子量を変化させる酵素反応を初めて検出した。
1992年 エンド型キシログルカン転移酵素(現在XTH)の最初の単離精製に成功した。(当時EXTと略したが、2001年にXTHの統一名称に変更)
1993年 シロイヌナズナを含め、5種の植物種よりエンド型キシログルカン移転酵素cDNAを単離した。
1999年 XTHが蛍光標識キシログルカンを細胞壁中に導入することを形質転換タバコ培養細胞で実証した。
2001年 シロイヌナズナのXTH遺伝子ファミリー全33遺伝子の同定と包括的発現解析をおこない、ファミリーの全体像を解明した。
2004年 イネのXTH遺伝子ファミリー全29メンバーを同定し、単子葉植物におけるキシログルカン代謝の重要性を示した。
2009

ヒメツリガネゴケのXTH遺伝子ファミリー全32遺伝子の同定と、発現解析を行い、コケに独自のXTHタンパク質の存在を明らかにした。