東北大学 大学院 生命科学研究科 生命機能科学専攻 植物細胞壁機能分野理学部 生物学科 植物生理学 西谷研究室 ENGLISH
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植物生理学と細胞壁
>>植物生理学とは何か  >>細胞壁とは何か
細胞壁とは何か
  • 超分子としての細胞壁
    植物の細胞壁は結晶性のセルロース微繊維と、多種類のマトリックス高分子群からなる「超分子」です。細菌や動物細胞にも細胞外の構造がありますが、自在に伸展できる柔軟性と堅牢さとを兼備しているのは植物細胞のみです。マトリックス高分子の主要な構成成分は、架橋性多糖(キシログルカンなど)と、充填性多糖(ペクチン性多糖など)、構造タンパク質、フェニールプロパノイドです。
    構造要素以外にも、分泌性酵素や金属イオンなどの可溶性成分が細胞壁中には多数存在し、細胞壁という「超分子」の自己集合化や維持、再編過程に携わっています。これら構成成分の協調作業の仕組みを解明することが細胞壁研究の最も重要な課題の一つです。
  • 細胞の顔(アイデンティティー)の表現装置としての役割
    細胞壁はいわば 細胞のアイデンティティーを表現している細胞の「顔」です。細胞同士の認識や細胞機能はその「顔」に如実に表れるものです。
  • 細胞の多機能装置としての役割
    細胞壁は、しかし、単なる「顔役」ではなく、重要な「実務」を行います。植物に固有の機能の多くは細胞壁の働きを通して発揮されます。細胞質分裂や、細胞伸長、細胞分化、形態形成などの発生過程は細胞壁の構築再編過程そのものです。また根での水や養分の摂取、葉での蒸散や二酸化炭素吸収、生体内の物質輸送やシグナル伝達、病害応答、環境ストレスへの応答、共生微生物との相互作用などはすべて、細胞壁機能を介して進行します。
  • 細胞の顔である細胞壁の表情は豊かである
    細胞壁の超分子構造は細胞の分化段階や生理状態の変化に連動して常時ダイナミックに変化しています。細胞壁はその動的で、ゆたかな「表情」を通して細胞のアイデンティティーを表現すると共に、その時々の細胞に要求される機能に最適化された構造を造り上げます。
    したがって、細胞壁構造とその動態を解析することにより、細胞のアイデンティティーと細胞機能を理解することが出来るはずです。
  • 植物研究の戦略ポイントとしての細胞壁
    このような観点から我々は、細胞壁構造の動態に焦点をあて、発生プログラムや植物ホルモンシグナルと細胞・組織・器官の形成と働きの間の分子過程の解剖を目指しています。
発生プログラムや植物ホルモンシグナル
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細胞壁関連遺伝子群
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細胞壁構造の動的過程(構築・再編・機能発現)
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細胞・組織・器官の形成と働き